+++ title = "レースに戻りたいとは思っても、F1に未練は感じなかったね" date = 2019-07-16 description = "元F1レーサーのジェンソン・バトンがスーパーGTドライバーになるにあたってのコメントを引用しました" tags = ["book"] categories = ["Quotes"] author = "kazu634" images = ["https://live.staticflickr.com/4862/45016957865_5f33ef4891_z.jpg"] +++ 元F1レーサーのジェンソン・バトンがスーパーGTドライバーになるにあたってのコメントを引用しました: > 「たしかにF1は技術的には時代の最先端を行っている。マシンだって乗れば最高に楽しい。楽しくないわけがないんだ。 > > でも、復帰は考えなかった。レースに戻りたいとは思っても、F1に未練は感じなかったね。今のF1は政治的な駆け引きが多すぎるし、複雑で巨大になりすぎた。ドライバーが素直にレースを楽しめる世界ではなくなってしまったんだ。 > > だけどスーパーGTは違う。もちろんF1に比べれば、レースはベーシックかもしれない。マシンにはいまだにクラッチがあるし、同僚のドライバーやスタッフとプランを考えたりしながら、必死にチームとして戦っていく。でも、そのベーシックさこそが、かけがえのない魅力なんだよ。 > > もともと僕がこの世界に足を踏み入れたのは、父にカートを買ってもらったのがきっかけだった。それから週末が来るたびに草レースに親しむようになり、二人三脚で少しずつステップアップしていったんだ。もちろん生活は大変だった。父は車まで売って、資金を出してくれたからね。でもあの頃は本当に楽しかった。スーパーGTは、当時の気持ちを思い出させてくれるんだ」 > > バトンは、GTのファンもまたF1にはない魅力を感じているはずだと指摘する。 > > 「子供たちが車の絵を描く時には、F1マシンじゃなくてスーパーGTみたいな『スポーツカー』を描く。それは誰にでもわかるカッコ良さ、気持ちを惹きつける魅力があるからさ。しかもレースは抜群に面白い。F1と違ってどのチームが勝ってもおかしくないし、抜きつ抜かれつのシーンも多い。誰もが夢中になるのは当然なんだ」 > > だが、最も夢中になっているのはバトン本人だろう。それこそ子供のように目を輝かせながら語り続ける姿には、自分の原点に立ち返った無垢な喜びが溢れている。 > > 「今の僕は人生を心から満喫している。そして自分が好きだったものにも、本当に自然体で向き合えるようになった。シーズンの開幕がとにかく待ち遠しいよ。僕自身の新しい章が、ここから始まるんだ」
Number(ナンバー)949号\#横浜優勝/ベイスターズが愛されるワケ。 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))

文藝春秋 (2018-03-29)