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Raw Blame History

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SHINOBI kazu634 2005-09-29 /2005/09/29/shinobi/
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つれづれ

 SHINOBI-忍-を観てきました。仲間由紀恵扮する朧と、オダギリジョー扮する弦之介がロミオとジュリエットみたいな関係で、伊賀と甲賀という忍者の里の頭の後継者として設定されていました。

 互いにいがみあう里同士という対立に加え、世の中は江戸時代という泰平の世を迎え、為政者にとり忍者は不要となりました。そのために、互いに潰しあわせようという策謀が。そうした中で二人は、里の頭領としてどうすべきか悩んでいきます。

 我々の立場からすれば、戦わずに済まそうとする二人に同調してしまいがちですが、そうした価値観だけではなく様々な価値観の持ち主が登場してきます。

  • 忍ではない別な道を模索すべきとわかっていながらも、これまで先祖や自分達が存在意義としてきたものを否定することはできないとする者
  • 自分の身を賭しても守りたい者を守って死ぬ者
  • いま起こっていることの背後にある為政者の意図を理解し、時代の流れに逆らうことなく華々しく抗争の中で散ろうとする者
  • そして、そうやって自己の信念に基づき死んでいく里の人間を見て、頭領として抗争を続けることを決意する二人

この二人の価値観が揺さぶられ、変わっていく様子が秀逸でした。特に仲間由紀恵の演技が凄い!

 ラストは結局、「ある機能を果たし終え、世の中に役立たなくなったものでも存在しつづけて構わないのだ」というメッセージを伝えたいのだと思います。

 私はこのメッセージには共感できませんでした。資本主義の社会とは、他人が必要とすることをやることで代価として給料を受け取る社会です。資本主義社会には、突き詰めて考えれば、何の役にも立たないものが存在する余地はないのです。こうした現実を覆い隠そうとするメッセージには賛成できません。様々な価値観を提示し、現実の多様性を提示しておきながら、厳しい資本主義社会の現実を覆い隠すのは間違えている気が私にはしました。