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Lord Jim読了。 | kazu634 | 2006-04-01 | /2006/04/01/_238/ |
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Lord Jimを読み終わりました。このLord Jimというのは、とても難解な語りの構造をしています。括弧書きで表現すると、
<作者{(Lord Jimの語り手)[(Marlow)(Marlowの語りを聴く船乗り)](語りの受け手)}(読者)>
という感じです。Marlowという年を取った船乗りの話を聞いていた船乗りの一人が、このLord Jimという話を物語るという構造を取っています。
とりあえず、学部4年生の時に一度読んでいたのですが、あのときの自分は全く読めていなかったということがわかりました。
Jimという船乗りを夢見ていたロマンティックな少年が、理想とする自分と本来の自分との間のギャップにもがき苦しみ、一度は挫折するものの最期には自分の命を犠牲にしてまで理想とする自分を守り通そうとする…という感じの物語でした。そうしたJimの物語について、世の中のことを知り、Jim程ではないけれど似たような思いを味わってきた、老練な先輩船乗りMarlowやその他の登場人物達がsympatheticな視点からJimを見ているように自分には感じられました。
気になったのは、MarlowがJimのことを”He is one of us.”と読んでいることでした。Jimは「自分たちの仲間」と言っていたのです。この「”us”=自分たち」というのは誰なのか…これが自分の論文のスタート地点になりそうです。
Lord Jim (Penguin Modern Classics) | |
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