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title: センスについての二つの概念
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author: kazu634
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date: 2007-01-02
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url: /2007/01/02/_423/
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- つれづれ
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<a href="http://www.aaronsw.com/weblog/2taste" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://www.aaronsw.com/weblog/2taste', '');" target="_blank"><img align="left" alt="Two Conceptions of Taste (Aaron Swartz’s Raw Thought)" src="http://img.simpleapi.net/small/http://www.aaronsw.com/weblog/2taste" border="0" /></a>
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<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Aaron_Swartz" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://en.wikipedia.org/wiki/Aaron_Swartz', 'Aaron Swartz');" target="blank">Aaron Swartz</a>(<a href="http://e-words.jp/w/W3C.html" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://e-words.jp/w/W3C.html', 'W3C');" target="blank">W3C</a>の偉い人)のページで<a href="http://www.aaronsw.com/weblog/2taste" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://www.aaronsw.com/weblog/2taste', '“Two Conceptions of Taste”');" target="_blank">“Two Conceptions of Taste”</a>という記事が公開されています。自分にとっては興味深い内容だったので、日本語にしてみました。ちなみに、<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Aaron_Swartz" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://en.wikipedia.org/wiki/Aaron_Swartz', 'Aaron Swartz');" target="blank">Aaron Swartz</a>の文章でおそらく一番有名なのが、M. Shibataさんが翻訳なさった<a href="http://www.emptypage.jp/translations/aaron/productivity.html" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://www.emptypage.jp/translations/aaron/productivity.html', '「生産的になろう」');" target="blank">「生産的になろう」</a>だと思います。お時間がある方はこっちもどうぞ。
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2007/01/01: <a href="http://www.emptypage.jp/" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://www.emptypage.jp/', 'M. Shibata');" target="blank">M. Shibata</a>さんのコメントを受けて修正。”redirect”は”to direct”(「(映画などの)監督をする」)に”re-“(「再び」)がついた形ですね…ありがとうございます(__)
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センスを定義することは難しいし、センスを正当だと理由づけるするのはなおさら困難だ。だから、しばらくの間センスの存在を疑問視するのを止めることにしよう。(わかってるよ。センスをどのように理解すべきか飲み込めていない人のために手短に説明してみよう。センスというのは洗練されたものを作る能力のことだ。iPodをつくった人々は明らかにセンスがある。それに対し、Windowsをつくった人々にはセンスがない。)残念なことに、アメリカ合衆国の多くの人々はあまりセンスがない。(例えば、三大ネットワークの夕方の報道番組の<a href="http://www.jiten.com/dicmi/docs/i/27160s.htm" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://www.jiten.com/dicmi/docs/i/27160s.htm', '視覚情報');" target="blank">視覚情報</a>を見てもらいたい)。しかし、センスを持つ人々の中でさえも、二つの種類のセンスがあることに私は気づいている: ポジのセンスとネガのセンスだ。
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ネガのセンスとは、何かがひどいときに識別できる能力だ。ポジのセンスとは、良いものを作る能力だ。確かに、センスにはただ一つの種類しかなくて、ポジのセンスというのは単にネガのセンスに技術が加わったものにすぎないと言う人もいるかもしれない。しかし、センスというのが一般的に創造したものに現れるのだから、ポジのセンスとネガのセンスを二つの別なものと扱う方がおそらくより単純だろう。
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ネガのセンスを持つ人々は本当に洗練されたものを作るが、そうして出来たものはまたとても単純になる。Googleの創業者たちはネガのセンスを持っているんじゃないかと思う。私が知る限り、John Gruberもほとんどネガのセンスを持っていると言える。Paul Grahamも同じだ。(この件については自分もそうだ)。ネガのセンスを持つ人がものを作る方法は、何かをとても単純にして、それからそれがよく見えるようになるまでまずい部分をはぎ取るんだ。ネガのセンスを持つ人は良いものを感知できるが、良いものを創造することは出来ない。このために、ネガのセンスを持つ人は非常に少数の変数しかもたないデザインに限定されることになる。なぜなら、そうすることですべての選択肢を総当たりで試して、良さそうなものを選ぶことが出来るからだ。
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一方でポジのセンスを持つ人は本当によいものを作ることが出来る。このことで多くの自由がポジのセンスを持つ人のデザインに現れることになる(ポジのセンスを持つ人は白以外の色を使うことが出来るんだ!<sup>[*1]</sup>)。本当によいデザインをする人というのはポジのセンスを持っている。私たちのような人にとって残念なことに、アップルがそうした人のほとんどを雇っているというのに、そうした人にかなり当たり障りのないウェブサイトを作る仕事に就けている。
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もちろん、センスはデザイン以外のずっと多くの分野に適用できる。同じ考えをものを書くことにも適用できる。ポジのセンスを持つライターは読者を引きつけるような美しく流れるような散文を書くことが出来る。それに対しネガのセンスを持つライターは単純にすることでしか美しい文章を書くことが出来ないんだ。
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ネガのセンスを持つ人はポジのセンスを持つ人を認識できて、そうした人を雇うことが出来る。一方でセンスのない人は、違いに気づくことが出来ず、アメリカンエアラインのグラフィックデザイン部門のような大失敗に終わることになるんだ。
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ネガのセンスを持つ人はまた批評家でもある。このことはJoe Clarkの有名なコメントを思い出させることになる: 「実際のところ、違う、問題を解決するのは批評家の責任とすることではない。<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Pauline_Kael" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://en.wikipedia.org/wiki/Pauline_Kael', 'Pauline Kael');" target="blank">Pauline Kael</a><sup>[*2]</sup>は自分が好きではない映画の脚本を書き直して、自分で監督をすることを期待されてはいなかったんだ」
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ネガのセンスを持つ人はひどい映画を見つけ出せる。けれど、ネガのセンスを持つ人が偉大な映画を作ることは出来ないんだ。
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[*1] おそらくAaron・Paul Graham・Googleなどのネガのセンスを持った人は、良い色として白しか思いつかない…ということを前提にして書いているのだろう。
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[*2] 有名な映画評論家らしいです。詳しくは<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Pauline_Kael" onclick="__gaTracker('send', 'event', 'outbound-article', 'http://en.wikipedia.org/wiki/Pauline_Kael', 'Wikipedia');" target="blank">Wikipedia</a>を参照してください。
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