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『イチロー・インタヴューズ (文春新書)』で気になった部分 kazu634 2010-05-30 /2010/05/30/_1530/
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メモ

世の中に流されないところと、逃げないところかな。どんな結果に対しても、僕はそれを受け入れる。失敗したときの自分の立場が怖いからといって、変な理由付けはしません。だから僕の発している言葉に嘘はないはずです。

「天才、言うなっ」

テレビを見ていたイチローが突然、画面に向かってそう呟いたことがあった。彼のことが語られるときには、当たり前のように「天才」という冠がかぶせられる。しかし彼は、自分自身のことを天才だとは思っていない。

「別にそうは思わないですね。それだけのことをやってきたわけですから」

イチローがさらっと言ってのけた「それだけのこと」―この言葉に詰め込まれた深い思い。野球に関しては、子供の頃から誰と比べることもできないほど別の次元で練習を重ねてきた。イチローにしてみれば、そんな日々を、天才という一言で安易にくくられることに違和感を覚えるのだろう。

イチローという選手が持っているもっとも重要な武器。それは飛び抜けたバッティングセンスでもなければ、たぐいまれなトータルバランスでもない。彼の第一の武器は、”心”の持ち方である。「アイツは特別だから」と誰もが言う中で、もっともイチローを特別視してこなかったのが、イチロー自身だった。彼を個々までにしたのは、想像を絶する練習量であり、練習に足を向けさせた彼の心の強さである。

特別な試合で、普通にできること。これがヤンキースの一番の武器でしょう。決して彼らが特別なことをやっているわけではなく、相手を考えさせたり、相手を変化させたりしている。

イチロー・インタヴューズ (文春新書)

イチロー・インタヴューズ (文春新書)