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『決断力』 | kazu634 | 2005-09-19 |
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梅田望夫氏のForesightの記事で紹介されていたので読んでみました。記事の中では、「学習の高速道路」という羽生善治の考えが紹介されていました。おそらく該当する部分はこのあたりなのでしょう。
私は、今の時代は、いろいろなことが便利になり、近道が非常に増えた時代だと思っている。何かをやろうと思ったときに、さまざまな情報があり、安易な道、やさしい道が目の前に数多くある。楽に薦める環境も充実している。昔は、遠い、一本の道しかなかった。そのため、選択の余地なくその道を歩んだけれど、今は近道が他にたくさんできている。わざわざ一番遠い道を選んでいくのは損だという思いにかられる。その横では近道で通り過ぎていく人がたくさんいるのだから。自分自身で、「何をやっているのだ」と思うこともあるだろう。逆に、昔よりも選択が難しい時代なのかもしれない。しかし、遠回りをすると目標に到達するのに時間はかかるだろうが、歩みの過程で思わぬ発見や出会いがあったりする。将棋でも、直接対局に関係ないように思えることが、あとになってプラスになったということはいろいろある。対局で、道の場面に遭遇したときには、直接的な知識や経験以外のものが役に立ったりするのだ。
若いころ、一人で考え、学んだ知識は、今の将棋では古くなり、何の役にも立たない。だが、自分の力で吸収した考える力とか道の局面に出会ったときの対処の方法とか、さまざまなことを学べたと思っている。私は、自ら努力せずに効率よくやろうとすると、身につくことが少ない気がしている。近道思考で、簡単に手に入れたものは、もしかしたらメッキかもしれない。メッキはすぐに禿げてしまうだろう。
(pp 155-156)
「遠回りした方が力がつくのではないか?」というのは重要な指摘ではないかと思います。簡単に手にはいるというのは、簡単に失いうるということも意味するのではないだろうか?長い時間をかけてでもやりたい何かを見つけたいなぁ、と思いました。