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Le Guinによる「ファンタジー」の定義を読んで考えたこと | kazu634 | 2006-09-17 |
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『ユリイカ』の臨時増刊号でUrsula K. Le Guin特集が組まれていたので購入。Le Guinは、ジブリの映画『ゲド戦記』についてのコメント(日本語)で、映画を自分の本とは別物だ…という趣旨のことを述べていて、この本ではどのように扱われているのかが気になったので購入してみました。
ざっと読んだ印象ではLe Guinについての特集が主で、映画については特集の契機となったものという扱いのようで全体の3割位しか割かれていませんでした。とはいっても、宮崎吾朗監督のインタビュー記事が掲載されていたりして興味深かったです。特に気になったのは次の三つです。
- Le Guinによるファンタジーの定義
- 吾朗監督のインタビュー記事で、アレンの描き方について語った部分
- 吾朗監督起用の背景を映画制作会社ジブリ・日本のアニメ史から読み取ろうと試みた記事
まずは一点目について。Le Guinは次のようにインタビューで答えています。
私はあえて主人公が過酷な試練へと立ち向かうように描いています。このことは、大変意味のあることなのです。実際、苦しみがその人物を純化するとは思いません。苦難は一般的に人々にひどい仕打ちをするもので、人々を傷つけ、時には再起する力を失わせます。しかし、ほとんどのファンタジー作品が試みようとしていることのひとつは、あらゆる知性、勇気、忍耐力を駆使することで、逆境を切り抜ける人物を描くことです。
多くのファンタジーの主題は、「弱者が過酷な試練に打ち克つ」ことです。これは古来、私たちが必要としてきたプロットです。そしてそれは子供たち にとっても同じことです。なぜなら、理解を超えた現実世界において、子供たちは弱者だからです。つまり誰もがこのプロットを必要としているというわけです。なぜなら私たちは皆、うんざりするような「クソったれ」な現実に直面しているのですから(笑)。
「ファンタジー」というジャンルについて自覚的に考えたことがなかったので、参考になった。このように考えると、子供向けと一般に考えられているような「冒険もの」というようなジャンル・「戦隊もの」みたいなジャンルも、「子供に対して何かを教える」という観点からすれば、知恵を絞って状況を好転させる状況を描き出す方がいいのかもしれませんね。
そういう観点からすると、ドラえもんって安易に道具に頼るような人を生み出しているのかも…。
(つづく)
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