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When We Were Orphansを読み終わった。 | kazu634 | 2006-10-10 |
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Ishiguro KazuoのWhen We Were Orphansを読み終わりました。以前にも書きましたが、
- 最初は探偵になりたがっていることについて書かれている
- 単なる探偵小説ではないらしく、どのように犯人を追いつめていくのかという物語ではない
という二つのひねりが存在していて、それがどのように収斂していくのかを待ちながら読んでいました(とりあえず、この二つの項目を見ただけでは、何でタイトルがWhen We Were Orphansなのかすらわからないわけで…)。読み終わった結果、なぜタイトルがWhen We Were Orphansなのかということが判明するのは、最後のページでした(^_^;。しかも”orphans”という言葉は別な意味を持っていて、「達成したい野望を持ちながらも、それがかなわない状態でいる人々」のことを指していました。
こうした謎解きが語り手によって最後のページで行われたわけで、それまでの話が一気に再構築されていきました。Cedric Wattはこれをdelayed decodingと読んでいたけれど、これはいくら何でもやりすぎ何じゃあないかなぁ…
とりあえず、Joseph ConradのThe Secret Agentのように、読者を手玉に取ることには成功しているように思います(こちらもMission Impossibleのようなスパイものかと思わせておいて、実はさえないスパイのおっさんがテロを起こそうとして精神薄弱の義理の弟を爆死してしまい、妻に殺され、その妻も逃げようとした鉄道の中で死ぬ…というように、タイトルだけから判断してスパイものだと思って読むと痛い目に遭う作品なんだよなぁ。。。)。
When We Were Orphans | The Secret Agent |
When We Were Orphans |